落ち葉が舞い散る候

2015年12月25日 11:37

「喪中につき・・・・・」のはがきの舞い込む時期になりました。そんな中、学問の師であり、人生の先輩であり、また親兄弟に近い身近な存在であった先生(91歳)の訃報に接しました。偶然の出会いの当時、ロンドン留学帰りの我が師は、パイプをくゆらせながら,『世界的な研究成果ですな!』を口癖にして周囲を煙に巻いていました。それ以来、半世紀に及ぶご厚誼をいただきました。『ご厚誼? 何言ってんだよ!』と叱咤されそうであります。が、彼が学部長に就任した後に訪ねた折の帰り際、次回からは『アポイントを取ってくれたまえ』と言われて、仰天して「今更、なんですか」と笑い合ったたこともありました。ある時期に疎遠になったこともありましたが、良くも悪くも切れない仲でありました。

 『君が、ノーベル賞をもらったら、賞金は山分けだよ! 君の師は、僕だからね!』と。小生が大学院生の時の先生を師匠とすれば、彼は、その同じ師匠からの兄弟子にあたります。しかし、半分冗談で、少し本気な部分もあった能天気(?)な師でもありました。

 

 久々の晴天日、ご家族、ご親族とその他の参列者の皆様に見送られて、我が師(の霊)は無事に「西方極楽浄土」へ旅立たれました。お二人の息子さんの存在に後顧の憂いなく、『良い生涯であった。思い残すことはない。ありがとう。』との言葉を残されて、安らかに目を閉じられたそうである。合掌!。

 今年の四月の桜の頃、長い付き合いの友を亡くしました。継いで我が師であります。言い古された言葉ですが、「人は、うまれる時も、死ぬ時も一人」であることを、思い知らされました。人の死とは、いかに理解したらよいのでしょうか? 今更ですが、考えさせられています。

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