
『珍説日本の歴史』の前書(2)
2013年12月27日 13:43
これまでに、陸に棲む最大の哺乳類の象を見た事がない人に、これまた象とは初めての人が眼を閉じた状態で手で触った場合、象の全身像をいかに表現するでしょうか!。長くて自在に動き回る鼻に触れた人、おおきな丸太みたいな足、大きな団扇みたいな耳、ぶよぶよの大きなお腹、身体の割には小さな尻尾、のどこを触ったかで、人それぞれの象への思いは違ってくるでしょう。眼を開いて全体の象を見たとき、初めて象の姿には驚きがあるでしょう。
近年の発掘調査では、邪馬台国の200年ほど前にあたる弥生時代の中ごろから、列島には、北部九州から瀬戸内、近畿、山陰、北陸、東海、関東にまで大規模な環濠集落が分布することがわかってきました。そのひとつひとつがクニと呼べるレベルのものとされています。邪馬台国の200年も前に、倭国はすでにそれだけの広がりをもっていたのです。たまたま朝貢を求めたクニが倭国・邪馬台国であったのでしょう。中国の歴史書に記述されたその所在地が、九州北部である可能性は高い。が、その邪馬台国が、当時の倭国のどの部分であったのか?。 また、はたして大和朝廷の前身かどうかは、「記、紀」の編者の都合次第であったことになります。
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